質問5 気づきについて
- (1)病気を経験したから言えること、気づいたことはありますか。
- (2)同じ立場の方にはどういう声掛けをしたいですか。
また、ご自身が不安や悩んでいた時にどういう声掛けをしてほしかったですか。
(1)病気を経験したから言えること、気づいたことはありますか。
・社会復帰がものすごく苦労した。自分の病歴や、通院のための休みついて、職場に言い出せなかった。子どもを保育園に預けるために、病気を理由ではなくフルタイムで申請したかった。仕事を探すのが本当に大変だった。辞めてしまうと復帰が大変だから、なるべく継続する方がいい。病気をオープンにできる職場の方が働きやすいと思う。
・今を楽しむということを大事にできるようになった。あと、少々の仕事や日常生活の苦労はあれよりしんどいことはないと思えるようになった。そういう意味では、強くたくましくなれた。
いい意味で、病気に関して敏感になった、あれ、ちょっとおかしいな、自分の感覚を大事にするようになった。病気の発見がアレなんかおかしい、がきっかけだったので、自分の感覚が大事と思うようになった。何もなかったらそれでOKやからまずは行ったらいいねんと家族中に思うようになった。
・放射線治療のために、治療前に一週間で親知らずを4本抜いた。腫れて大変だったが今は親知らずがないので楽になった。
・副作用の説明が怖かった。医師は全部言う必要あるから。最悪のケースを言われる。副作用全部が自分の身に起こるわけじゃないよ、と言いたい。
(2)同じ立場の方にはどういう声掛けをしたいですか。また、ご自身が不安や悩んでいた時にどういう声掛けをしてほしかったですか。
・年齢が一番下だったから、かわいがってもらえた。自分も応援してもらうために、周りの心配を「(自分のことは)ほっといて」とかではねのけるんじゃなく、洗面所であった病棟の人たちと簡単な挨拶をするとかで自分でも気を付けていた。病棟の人たちとお互い応援しあっていた。
・治療でしんどくなるときは、事前に家族や同室の人にも治療計画を伝えて、「不愛想になります」と言った後、自分のベッド周辺のカーテンを引いてノータッチにしてもらう状況を作った。同部屋の人が治療中タイミングよく、そっと氷を持ってきてくれた時は嬉しかった。
治療の辛さが分かっている同士だったからだと思った。
(1)病気を経験したから言えること、気づいたことはありますか。
普通に仕事して、ごはん食べて、寝て、という毎日がどれだけありがたいことかを知った。毎日なんとなく幸せです。
(1)病気を経験したから言えること、気づいたことはありますか。
人生で初めて休んでいる。これまでずっと走って来たので、いったん立ち止まる時間ができたことは良かったのかもしれない。
(1)病気を経験したから言えること、気づいたことはありますか。
夫がとても家事や子育てに協力的になった。
もともとしなかったわけではないが、夫婦どちらかが倒れてもどうにかなる体制を作れることができた。自分たちがしなければいけないことなるべく外部に頼る体制を作ることができた。
(1)病気を経験したから言えること、気づいたことはありますか。
・病気になったことで、世界が広がった。病気にならなかったら出会っていない人に出会えた。時間ができたので、今までのことを振り返ることができた。闘病中は孤独な時間を感じると思うが、泣きたいときには泣いて、話したいことが話せる場所や、気持ちを何かに残すなど、ため込まない方がいいと思う。
今はSNSなど発信する方法があると思うので、あまり内にこもらない方がいい。「抱え込まないでね」と伝えたい。
・体験したことは自分の力になり、体験したからこそ話せることがある。
・「人の優しさ」を敏感に感じるようになった。また、その反対の気持ちにも敏感になりました。
・「生かされてること」を感じ、自分がやりたいことにチャレンジしようと思ったこと(なので、後に学生になりました)。
・生命保険などの制度を知っておくことは大切。なので、今は学校でがん教育もしてますが、その一環で社会保障などの実学もなにかあった時に対応できるよう合わせて教育されることが大事。
・検診、健診の大切さ。私はがん検診で分かったので早期発見、治療ができました。早期であれば、お金も時間も病気に費やすのは少なく済みます。幸い今は検診に関する仕事に就き、検診の大切さを友人などに伝えています。
(1)病気を経験したから言えること、気づいたことはありますか。
先輩患者に会わなければ、孤独だったと思う。患者会の人は自分のことだけでなく、人のため、地域のために活動されているところが素晴らしいと思っている。なので自分も、いつかは誰か(同じような病気の人)のために何か活動したいと思っている。まだ自分自身がいっぱいいっぱいなので、まだできないが、将来そういったことをしたい気持ちがある。
当時この年齢で全摘し再建をしなかった事は珍しいが、決断した。そうしてよかったこともあれば、悪かったこともある。「再建しなかった人」の立場でお話をする機会があればと思っている。
両親ががんと診断されたときにも、ネットで調べまくって、健康にいいといわれるあらゆるものに対し破産しそうなほどお金を使った。母も食事療法のために遠方へ外出して体調を崩すなど、最期の時期に無理な活動をしてしまった。
信じたいことを信じてしまう心理状態だったので、ネットの情報をうのみにしてしまう。孤独で、ネットの情報で物事を進めてしまっていた。今は、人と人との関係が一番大事だと思っている。同じような経験をした人の話が一番大事。
(1)病気を経験したから言えること、気づいたことはありますか。
誰でも年齢に関係なくがんになるんだということ。病気になる前は人生設計に無頓着だったのですが、保険も入っておくべきでした。あとは結構支えてくれる人がいるということ。会社の同僚がご飯を持ってきてくれたりするなど、人の優しさが実感できました。
(2)同じ立場の方にはどういう声掛けをしたいですか。また、ご自身が不安や悩んでいた時にどういう声掛けをしてほしかったですか。
治療中はなかなか先が見えないと思いますが、つらいときはいつか終わりが来るからと言ってあげたいです。絶対に治療は終わるから、今だけ今だけという気持ち。あと何回やればご褒美があるなどモチベーションをしっかり持っておかないと崩れてしまいます。
(1)病気を経験したから言えること、気づいたことはありますか。
周りのやさしさに気づきました。それまでは、気づかなかったです。
今の仕事の環境に巡り合えたこともです。今の仕事だから気づけたこともあります。
今年34歳になるので、再発や他の病気にもならないかなという心配はあります。
しんどい時はつらいけど、後になると、しんどいことは忘れます。しんどいのは今だけだと思って乗り越えてほしいです。
(1)病気を経験したから言えること、気づいたことはありますか。
自分の体験ではないですが、病院でのウィッグについて、人毛と人工があり、人毛は重い、人工はつやとか質感が不自然との話を入院中の友人から聞いたことがあります。もし抗がん剤でウィッグをかぶるなら人毛と人工のミックスをお勧めします。友人の髪の毛が自然に見えました。
(2)同じ立場の方にはどういう声掛けをしたいですか。また、ご自身が不安や悩んでいた時にどういう声掛けをしてほしかったですか。
家族と一部の友人にしか話していないので、理解ある人からかけてもらえる言葉は励みになった。
(1)病気を経験したから言えること、気づいたことはありますか。
・病状が軽くても治療はつらいものであったこと
・身体に手を添えてもらうというほんの少しの行為だけであたたかさを感じられ安心できると知ったこと
・社会は健康健全をベースに作られているということ
・たくさん助けてくださる方がいるし、助かる制度もあるので、人に聞き、頼ればいいこと。聞きたいことが誰に(どこに)聞けばいいのかがパッとわかればいいのにと思うこと
・働き方の見直し。非正規と正社員の福利厚生の違い(病気欠勤時の扱い等)。ほぼ正社員並みに働いていたので今後を見据えてより手厚い社内制度の利用ができるよう社員になることを考えてはどうかと勧めがあり、自分も納得したので正社員になりました(たしかにその後休職したのでなっておいてよかったのですが、自分には非正規の方が合っていたと思いました)。
(2)同じ立場の方にはどういう声掛けをしたいですか。また、ご自身が不安や悩んでいた時にどういう声掛けをしてほしかったですか。
・同じ病気を患ってもひとりひとり事情は異なるので、見聞きしたことや他人からのアドバイスと全く同じようにしなくていいと思うということをお伝えしたいです。
診断を受けたあとも日常は変わらず流れていくので、その中でなかなか自分の気持ちがわからなかったりまとまらなかったりすることもあるかと思いますが、「自分がどうしたいか」に目を向けて、その時その時決めなければいけないことを考えられたらと思います。
・手術部位や放射線治療箇所など体の変化や違和感に不安を覚えられる方へは、かなり長くはかかりますし完全に元の状態と同じにはなりませんが、いずれ落ち着いてはきますのでしばらくお付き合いなさってくださいとお伝えしたいです。自分は術後5年を過ぎたくらいで体も気持ちもクリアと言えるかなと思えるようになった気がします。
・自分がしてほしかった声掛けは、これといって思い出せないのですが、不安なときは「大丈夫」「大丈夫やで~」が効くような気がします。
(1)病気を経験したから言えること、気づいたことはありますか。
何事もオープンにすることで協力者は増えると実感しました。
(2)同じ立場の方にはどういう声掛けをしたいですか。また、ご自身が不安や悩んでいた時にどういう声掛けをしてほしかったですか。
「大丈夫?」とか「体調どう?」とか気遣われるのはちょっと負担かもしれません。
気にせず今まで通り話してくれるような接し方の方が楽です。
(1)病気を経験したから言えること、気づいたことはありますか。
早くから検診にいっておけばよかったです。少し放置してたのが気になっています。
(2)同じ立場の方にはどういう声掛けをしたいですか。また、ご自身が不安や悩んでいた時にどういう声掛けをしてほしかったですか。
病気になったらまわりの協力とお金の準備が必要です。
不安にならないよう、知識をもっていたらより安心できます。
(1)病気を経験したから言えること、気づいたことはありますか。
がんのことを全く知らなかったので、告知されたときはがん=死だったけれど色々調べたり経験するうちにがん=死ではないと知りました。
日本人の2人に1人が、がんになる時代であること、乳がんは、私がり患した時は12人に1人と言われていましたが、最近では11人に1人だそうです。
本当にたくさんの人ががんになる時代で、誰がいつなってもおかしくない中で、学校教育の中でがん教育のようなものがもっと浸透したらよいと思いました。早期発見することももちろん大切だし、大切な家族ががんになったらなど、告知される前に知っていたらと思うことがたくさんありました。
病気の前は、4人の子育てが日々大変で、毎日がいっぱいいっぱいで、解放されたいと思ったりすることも多々あったのですが、自分が死ぬかもしれないと思ったときに、自分が子どもたちの幸せを心から願えていた母親であったことに気が付くことができました。子どもたちの一日一日の成長をこの目で見ていられることの幸せや、将来どんな大人になるのか思いを巡らせることができることがどんなに幸せなのか、思い知らされました。
同時に、自分は子どもたちのためだけに生きているのではないとも、思いました。子どものためなら自分はどうなってもいいと、母親ならば誰しも思うと思いますが、私はずいぶん自分を犠牲にした子育てをしていたように思いました。
自分の体は自分が大切にしなければ誰も自分を大切にする人はいないということにも気が付き、子どもたちのためにも、元気で健康なお母さんでいようと、今は睡眠をしっかりとるようにしたり、食事や軽い運動など、のんびりする時間を作るなど、心がけるようにしています。
(2)同じ立場の方にはどういう声掛けをしたいですか。また、ご自身が不安や悩んでいた時にどういう声掛けをしてほしかったですか。
日々ジェットコースターのように気持ちが変化するので、その時その時でかけてほしい言葉は違うのですが、私の場合は、ただ話を聞いてもらうだけで十分でした。
あとは、これは言ってほしくないことになりますが、「あなたのせい(生活習慣、食生活、ストレス)が原因じゃない」と、何人もの人から言われましたが、そのたびに自分を責めて悲しい気持ちになりました。相手は、まったく悪意なく言ってるでしょう。病気になったのはあなたのせいじゃないと伝えたいです。